Clash クライアント画面の各パネル早わかり:プロキシ・設定・ログページの役割

Clashクライアントを初めて開くと画面構成に迷いがちです。プロキシページのノードとプロキシグループ、設定ページのサブスクリプション管理、ログページの接続記録の役割と、日常でよく使う3つの操作箇所を解説します。

画面のどこから見ればいいか:5つのパネルの位置づけ

GUIクライアント(Clash Verge Rev、Clash Nyanpasu、FlClash、ClashX Meta、Clash for Windows など)によってレイアウトや用語は多少異なりますが、機能の区分けは基本的に同じで、5つのパネルにまとめられます。プロキシページ(Proxies)、設定ページ(Profiles)、ルールページ(Rules)、接続・ログページ(Connections / Logs)、一般設定ページ(Settings)です。この5つがそれぞれ何を管理しているかを把握しておけば、日常操作のほとんどをカバーできるため、メニューを一つずつ探る必要はなくなります。

この5つのパネルの関係は、次のように整理できます。設定ページは「どのルールとノードデータを使うか」を決め、プロキシページは「今どのノードで通信するか」を決め、ルールページは「どの通信をプロキシ経由にし、どれを直接接続にするか」を決め、接続・ログページは「今何が起きているか」を確認するためのもの、一般設定ページは「下層のネットワークパラメータをどう設定するか」を管理します。問題が起きたら、まずどの区分に当たるかを考え、対応するパネルを見に行くほうが、メニューを片っ端から見ていくよりずっと効率的です。

プロキシページ:ノード一覧とプロキシグループの使い方

プロキシページは最も使用頻度の高いパネルで、表示内容は通常2層に分かれます。上の層がプロキシグループ(Proxy Group)、下の層がそのグループに含まれる個々のノードです。プロキシグループの本質は、サブスクリプション設定ファイル内の proxy-groups フィールドで定義される一群のルールで、よく使われるタイプは以下の通りです。

  • select——手動選択型。クリックしたノードがそのまま使われ、自動切り替えは行われません。使うべき経路がはっきりしている場合に向いています。
  • url-test——自動測定型。クライアントが設定した間隔で測定用URLへリクエストを送り、レイテンシが最も低いノードを自動選択します。
  • fallback——フェイルオーバー型。順番にノードを使用し、現在のノードが使えなくなった場合のみ次に切り替わります。
  • load-balance——負荷分散型。ハッシュまたはラウンドロビン方式でリクエストを複数ノードに分散します。

プロキシページで各ノードの右側に表示されるレイテンシの数値は、クライアントが定期的に測定用URL(既定では http://www.gstatic.com/generate_204 のようなアドレスが多い)へリクエストを送って得た往復時間です。数値が低いほど応答が速い傾向にありますが、実際のダウンロード速度と完全に一致するわけではなく、帯域や回線の負荷状況も体感速度に影響します。ノードの横にある「測定」アイコンを手動でクリックすれば、自動更新の周期を待たずにすぐレイテンシを再取得できます。

補足:ノードが「タイムアウト」と表示されたり数値が表示されない場合は、まずサブスクリプションが期限切れになっていないかを確認し、次にノード自体がメンテナンス中かどうかを確認しましょう。この2つは画面上の見え方が似ているため混同しやすいです。

ノードを切り替えようとしてプロキシグループ全体がグレー表示でクリックできない場合、多くはルール設定でそのグループがどのルールからも参照されていない、もしくは現在使用している設定ファイル自体の読み込みが完了していないことが原因です。この場合はまず設定ページで状態を確認してください。

設定ページ:サブスクリプション管理とルールセットの読み込み

設定ページ(一部のクライアントでは Profiles や「サブスクリプション管理」と表記)は、1つまたは複数の設定ファイルを管理する場所です。設定ファイルの本質はYAML形式のテキストで、ノード一覧、プロキシグループのルール、振り分けルールが定義されています。日常でよく行う操作は、このパネルで発生する次の3つです。

  1. サブスクリプションの追加:サブスクリプションURLを貼り付けると、クライアントがそのURLにリクエストを送り、返ってきたYAMLの内容をローカルの設定ファイルとして保存します。
  2. サブスクリプションの更新:サブスクリプションURLに再度リクエストを送り、最新の内容でローカルファイルを上書きします。通常、ノードの変化や残り通信量などの情報も一緒に表示されます。
  3. 設定の切り替え:複数のサブスクリプション(異なるサービス提供元など)を保存している場合、ここで選択して現在有効にするものを切り替えます。

設定ファイルの中で見落とされがちですが重要なフィールドが mixed-port です。これはクライアントがローカルで待ち受けるプロキシポートを決めます。

mixed-port: 7890
allow-lan: false
mode: rule
log-level: info

これらの行は、設定ページの「編集」や「元ファイルを表示」機能から確認できるのが一般的です。mode フィールドは全体の動作モードを決めます。rule はルールに基づいて振り分け、global はすべてプロキシ経由、direct はすべて直接接続を意味します。この3つのモードは設定ページやメイン画面の上部に見た目でわかる切り替えスイッチが用意されていることが多く、ファイルを手動で編集しなくても切り替えられます。

注意:設定ファイルを直接編集した際に書式が不正(インデントの誤りなど)だと、クライアントが読み込みに失敗したり、エラー発生前の古い設定のまま動作し続けたりすることがあります。編集前に元ファイルをバックアップしておくことをおすすめします。

ログページと接続ページ:トラブル時に何を見るか

ログページ(Logs)はクライアント動作中のイベントを記録し、debug・info・warning・error のレベルに分かれています。ネットにつながらない、あるサイトが開けないといった問題を調べる際は、ログレベルを info かそれ以上の詳細レベルに設定してから問題を再現すると、具体的なエラー内容が確認できることが多く、闇雲にクライアントを再起動するよりずっと効果的です。

接続ページ(Connections)はログページと混同されがちですが、違いは接続ページが現在進行中または直近に発生した通信接続の詳細を表示する点です。各行には通常、宛先ドメインまたはIP、使用中のノード、ヒットしたルール、アップロード・ダウンロード量、接続経過時間が含まれます。このパネルが最も役立つのは、あるアプリが実際にプロキシ経由か直接接続かを判断する場面です。宛先ドメインを検索し、ヒットしたルールと使用ノードを見れば、想定どおりに振り分けられているかを確認できます。

補足:接続ページはドメイン名やプロセス名で絞り込み検索ができます。あるアプリの動作がおかしいと感じたら、まずここでそのアプリの接続記録を絞り込むと、当て推量による試行錯誤を大幅に減らせます。

ログページと接続ページはどちらも長期間の履歴を保持し続けるわけではなく、クライアントを再起動すると通常はクリアされます。長期的に問題を追いたい場合は、操作しながらその場で観察することをおすすめします。後から履歴を遡って確認できるとは期待しないほうがよいでしょう。

一般設定:TUNモード・システムプロキシ・自動起動の設定方法

一般設定ページには、ネットワークの引き受け方に関するスイッチがまとめられています。特に重要な3つは以下の通りです。

  • システムプロキシ:オンにすると、クライアントがシステムのプロキシ設定をローカルポート(前述の mixed-port)に向けます。システムプロキシを読み取れるアプリは自動的にClash経由になります。
  • TUNモード:オンにすると、クライアントが仮想ネットワークアダプタを作成し、ネットワーク層ですべての通信を引き受けます。アプリが自主的にプロキシ設定を読み取る必要がなく、コマンドラインツールやシステムプロキシに対応していないアプリも対象にできますが、より高い権限が必要(通常は管理者またはroot権限)で、設定を誤ると通信が切れることがあります。まずシステムプロキシモードに慣れてから試すことをおすすめします。
  • 自動起動 / サイレント起動:クライアントをシステム起動時に自動実行するかどうかを決めます。長期的に使う場合はオンにしておくと、起動ごとに手動で開く手間がなくなります。

一般設定ページには通常、LAN共有のスイッチ(allow-lan に対応する項目)もあります。オンにすると、同じLAN内の他のデバイスがこのパソコンをプロキシサーバーとして利用できるようになります。クライアントを個別にインストールしにくいデバイス(スマートTV、ゲーム機など)に通信を転送するのに向いていますが、露出範囲が広がるため、信頼できる同一ネットワーク以外ではオンにしないことをおすすめします。

日常で最も操作する3つの場所

これまでのパネルの機能を実際の使用頻度に当てはめると、覚えておくべき最も重要な操作入口は次の3つにまとめられます。

  1. プロキシページでのノード・プロキシグループの切り替え——レイテンシが上がったり、あるノードが不安定になったりしたときの第一の対処。
  2. 設定ページでのサブスクリプション更新——サービス提供元が新しいノードを配信したりルールセットを修正したりしても、手動で更新をクリックしなければ反映されません。クライアントが自動で更新してくれるわけではありません。
  3. 接続ページでの振り分けの確認——あるアプリがプロキシ経由になっていない、または誤った経路を通っていると疑ったときは、ここで宛先ドメインを検索するほうが推測より確実です。

この3つの入口に慣れておけば、日常使用でほかのメニューをあれこれ見に行く必要はほとんどなくなります。見慣れないボタンに出会ったときも、まず本記事のパネル区分に沿って分類し、それから触るべきかどうかを判断すればよいでしょう。

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